[コメント] 愛のコリーダ(1976/日=仏)
性と死と…。
エロスとタナトスの結びつきって、昔は少しは関心もあったけど、最近はなんか陳腐に思えてきて…。この映画は、それをテーマにしていて、インテリが描いた性という感じがしました。映像は綺麗だけど、もちろん人工的美を求めるもの。
性は、日本文学では大きなテーマでした。谷崎、川端、三島…。大江健三郎のは少し傾向が違うのだけど。フランス文学でもそうですね。サド、コクトー、バタイユ、ジュネ、マンディアルグ…。それに比べて、英米文学の性は、ロレンスにせよミラーにせよ、もっと傾向が違う。フランスのは人工美というか、観念性が高いというか…。谷崎、川端、三島に代表された性は、どちらかというとフランス的ですね。日仏合作のこの映画は、日仏の性表現への関心が昇華された感があります。
「愛のコリーダ2000」で見たので、修正はされてましたが、無修正で見たい気はさほどしませんでした。基本的に観念的な文学作品といったイメージの映画です。そう捉えるかぎり傑作ですが、その分、新しさは感じませんでした。
(付け足し) 一晩明けて考えると、やっぱりこれは傑作だと いう気持ちが強くなりました。 見た直後よりイメージはよくなってます。でも考えそのものは変わってません。一つ一つの映像がすごく綺麗だから、こういうことになるのでしょう。
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