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[コメント] 愛のコリーダ(1976/日=仏)

かつてのボカシだらけの本作を見て大島渚は「これは私の作品ではない」と言ったそうだ。確かにボカシやモザイクやら逆に劣情を煽るようなやり方は愚かの極み。ただ、この作品はバストアップで表現できるだろうシーンがほとんどのような気がする。見せたいがための方法論か。しかし・・・
tkcrows

2000を観た。私がかつて観たがっていた霧の向こうに真実はなかった。

いっそのこと全ての映像を霧の向こうにすべてを追いやって音声だけにしてくれたほうが真実に近づけたかも知れない。

これって恋愛映画?いや、セックス映画に決まってる。

行為に溺れる男女がそれでもまだ溺れつづけたいと願う。人は一端には「その人の内面にもっと近づきたい」と願って体を求めるのかも知れない。しかし、一物を切り取った時点でそれは愛ではなく物欲でしかない。それを究極の愛と勘違いしたがる世間もわからないではないが、とりあえず私は遠慮させていただきたい。

この映画はそれを克明に追求したがっている。それもひとつの方法論だ。 しかし、この作品のあとに似たようなテーマ、そして一部重複するキャストを配した『愛の亡霊』を製作したことを考えると「波に乗った」という色気が見える。よって、助走としたこの作品は、話題性先行という製作意図が見え隠れしている。

かつては★3を献上したこの作品も、ボカシ&カットを少なくし2000を再公開した大島監督をして「これが私の作品だ」というのなら、★1を改めて献上させていただくしかない。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ジャイアント白田[*]

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