[コメント] オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014/米)
“宇宙の戦士”の歩兵戦を地球上でやる肉弾感の充実など。ちょっと今までにないレベルの作品と思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「補給はあと10分で完了します」。おお。日本の軍隊が多国籍軍に参加してる。憲法もついに改正されたか。
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実際のRPGだと、いくら死んだらリセットできると言っても、すでにクリア済みの場面を一から繰り返さなければならないのが鬱陶しい。ときに、ささいなミスや注意力の散漫などで、これまでの最長クリア地点まで到達できないこともあるからなお煩わしい。
それはこの映画の主人公も多々感じていたはずだ。そこを、映画の省略する技法を駆使し、見る側にそのストレスを感じさせない構成になっているところがまず凄い。それでいてストーリーは過不足なく進展し、ちゃんと緩急がついているだけでなく、省略された時間の経過やその重み、徒労感と闘う主人公の苦悩まで体感させてくれる。“いっそもう全身輸血しちゃってくれえい!”と主人公が思ったとしても不思議じゃないのだが、そんな気配は微塵も感じさせない。
こういう練りに練った感はもともと好きなのだが、ここまで遺漏なく念入りにやられると、ちょっと映画が新しいステージに入ったのではないかと、久しい感覚まで生じてしまう。地を這うようなド根性肉感アクションもこの思いを強化する。少なくとも今までにないレベルの作品と思う。
ただ、未来には髪を長くカットできる床屋がいないといけない(それも瞬時に)。
90/100(15/03/18記)
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