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[コメント] ニード・フォー・スピード(2014/米)

132分を劇中の車の如く快調に、カーアクションの合間に話を進めてラストまで駆け抜けていく痛快作。音楽が消え、どっしり全体を捉えるショットとローアングルのショット、主観視点などで構成され、チャカチャカした編集もないカーアクションシーンはまさに『バニシング・ポイント』や『バニシング in 60』の超進化系。イモージェン・プーツも可愛い。
パピヨン

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全編に渡り興奮しっぱなし。冒頭のドライブインシアターで『ブリット』が流れるのは伊達ではない。直後に往年の名車でレース、しかも演出が70年代風(ただ空撮も多用していてよりダイナミック)で「本当に現代のTVゲームの映画化か?」と驚いた。

走行中の給油やヘリでの吊り上げなど絵面は馬鹿馬鹿しいのに演出、特に感情を盛り上げる音楽や美しい撮影のおかげで妙に感動的なシーンに仕上がっている。給油に成功して屋根の上でガッツポーズ、背景には妙に出来のいい感動的な音楽、ここを肯定的に捉えられるかで評価が別れる気がする。もっとも終盤、ゴール直前のトビーがディーノを助けに行く所は純粋に感動。どうしようもない小物のクズのディーノをトビーが助けることでさらにトビーの株が上がり、さらに好感が持てるようになる。

主役のアーロン・ポール、初めはそうでもなかったのに段々かっこよく見えてくる。寡黙でどっしりした顔つきがいい感じ。この人自体も70年代映画の主人公っぽいんだよね。快活でツンデレなイモージェン・プーツも滅茶苦茶可愛い。病室での二人のキスシーンの美しさは絶品。

130分と聞いて不安だったがテンポは劇中の車の如く快調、カーアクションの合間に話を進めてラストまで駆け抜けていく。ディーノから依頼を受けたと思ったら即車のお披露目会、「運転するな」と言われて次のショットではトビーがレース場を爆走と映画的な省略が多く、構成もよくできてる。

ニューヨークからレース会場のカリフォルニアまで車で移動するという設定もあり、カーレースのロケーションも多様。田舎町、都会、高速道路、山道など色々あるが一番気に入ったのはグランドキャニオン(モニュメントバレー?)。西部劇の風景でカーアクションやってるのは新鮮。弟分の復讐というのも西部劇っぽい。

(評価:★4)

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