[コメント] 喰女 クイメ(2013/日)
3.5。本作の三池は頑張っている。鏡に、裏表がぐるぐる廻る舞台や、その舞台を俯瞰する視点におけるツルツルの床。現実と虚構の境を見せる視覚的なイメージが散りばめられている。また、海老蔵も柴咲コウも無心理な外面、その行動だけが描かれており、動機や理由づけを極力排しているのが良い。ビニールや帳の使い方も堂に入ってるし、デジタル撮影の光の扱いも中々凝っている。合格点を与えられる出来映えと思う。
武満を意識した音楽も好み。ただ、映画をほとんど観ない観客向けなのか「ハイ、ここ注目ですよ〜」という、あまり意味の無い寄りを時折入れてしまうのがちと辛い。
或いは劇中劇の稽古を見つめる人々。その多くはただ見つめるだけであり、煙草を吹かしているのは僅かに一人のみ。もう少し細部の味付けがあれば、前半の面白みも増したかな、と考える。それはびっこを引くマネージャーの扱いにしてもそう。とはいえ、93分というコンパクトさは捨て難い。
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