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[コメント] がんばれ!ベアーズ(1976/米)

「ロードショー」や「スクリーン」を読むようになった頃、その表紙を毎月のように飾っていたのがテータム・オニール。もちろん読者人気投票でも1位。彼女以外が1位の座を占めるなんてことが考えられなかった時代が確かにあった。
ナム太郎

そんな彼女の人気に火がついたのがこの映画だった。すでに『ペーパー・ムーン』でオスカーを受賞していたとはいえ、その後の数年間を学業に専念していた彼女だったから、同世代の僕らは、この作品で彼女を知ったようなものだった。

それはブルース・リーで映画に目覚めた僕らが、洋画というものにも興味を持ち出した頃の話だったから、実は彼女で外国人アイドルというものに目覚めたと言っても決して過言ではない。そう、外国人というと、ちょっとお姉さん的な存在だと思っていた僕らの前に突然現れた日本人好きのするそのキュートな丸顔は、その当時の流行りだった「クラスにもいそうな可愛い子」の典型で、映画館を出てきた僕らは、映画の素晴らしさよりも彼女の可愛さについて延々と語り合ったものだった。

また、これは余談だが、彼女の魅力は石ノ森章太郎の作画魂にも火を点けたようで、その後この映画を模倣したような野球ドラマ『がんばれ!レッド・ビッキーズ』が爆発的な人気を博し、1年という長きに渡ってTV放映されたことも懐かしい記憶だ。そのドラマの主役を演じた林寛子(あの扇千景の本名は林寛子らしい。トリビア?)も当時は全国区の人気で、うちの妹なんかは、彼女に憧れてソフトボールを始めたほどだった。

で、話はテータムに戻るが、そんな彼女が出演作に恵まれなかったのは寂しいことだった。やがて忘れかけた頃にテニス界の貴公子、マッケンローとの結婚、離婚話があったりしたが、それも一時的な話題で、今の彼女が何をしているのかは実はよく知らない。

が、聞くところによると、TVドラマにはちょくちょく顔を出しているようだ。残念ながらそれらの番組の全てが僕らの目に届くものではないのだろうが、彼女が役者として元気に活動していることは嬉しいことだ。

願わくば映画界にも復帰して、今度は今の彼女にしか出せない魅力を振りまいてほしいものだ。この作品のように剛速球を投げろとか、白いレオタードで踊れとかは言わないから、ね。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)sawa:38[*]

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