[コメント] るろうに剣心 伝説の最期編(2014/日)
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剣心が福山師匠との修行で得た奥義とやらも「おおおっ」と思わせるところもなく気がついたら終了していたような印象希薄さ。ここは剣心の、「自分が守りたい人たちの為に生き残るのだ」という執念で画面が焼けつくような熱さを見せてほしいのだが、割と普通にアクションシーンとして流れていったような。
武井咲は遂にほとんどモブ扱いで、本来なら剣心と心をぶつけ合う劇的なシーンが用意されて然るべきシークェンスでさえ、彼女のシーンそのものがないという酷い扱いを受けているが、それも仕方ない。海に投げ出された二人が、互いに死んだかと思っていたのに再会する瞬間はどんな感情が画面に溢れるのだろうと期待させるが、そんなシーンそのものがなく、剣心による蒼井優への事後報告があるだけという肩透かし。まあ演技力でいったら、すべてを受けとめる存在感のある蒼井に任せるのが正解なのかもしれないが、それによって武井の演じたキャラはその存在を潰されたと言っても過言ではない。
最後の闘いへ臨むシーンで、カラッと晴れた空の下、小船を漕いで巨大戦艦へ、というのはなんだか牧歌的にさえ見えて萎える。ここはベタに曇天の下、いや大仰に嵐や大雨が吹きすさんでいてもいいくらい。
シリーズ全体を通してよく分からんのは、剣心が不殺の誓いとか言って我が道をゆくのはいいが、彼が加勢する連中は遠慮なく敵方をバサバサ斬っていくわけで、そこの葛藤がまったく見られないのはなんなのか、という点。それと、不殺と言いつつも大切な命を守る為にやはり斬らねばならぬ、という決意が、結局はご都合主義的な展開や敵の自滅という形でウヤムヤにされること。敵は自ら剣に死ぬことを選んだのだとか、剣心の気持ちを酌んでくれる誰かの想いのおかげで誓いが守られたのだとか言えばきれいに聞こえるかもしれないが、剣心に突きつけられた「斬らねば守れない」という課題そのものが彼の意志、決断から切り離されてしまうので、何か誤魔化された感が否めない。
今回も、包帯男は最期には燃えるんだろうなと思ったらその通り、嘘くさい人体自然発火現象で焼け死ぬし、しかもそれが集団リンチのような総攻撃を受けた末というのがなんとも。剣心は、包帯男と闘って彼をどうするつもりだったのか。斬らずに生け捕りにできるような相手とも思えなかったのだが。その辺の意志、決断が曖昧なまま最終局面へ進むので、こちらはどういう姿勢で観ていればいいのか分からんまま、包帯男は自分で勝手に燃え上がる。ただ、ひたすらクールに妖艶さを漂わせていた高橋メアリージュンが最後に見せた儚き献身は心に残る。
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