[コメント] ジャージー・ボーイズ(2014/米)
エンタメ界における成り上がりと分解の物語としてはなんら新しさはない。その渦中にいる彼ら自身がカメラ目線で語りはじめた刹那、物語は普遍性を脱ぎ捨て、私(わたくし)に殉じる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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劇中繰り出される、ザ・フォー・シーズンズの歌声やパフォーマンスの空疎な明るさが生み出す高揚感。それは明らかに虚飾。だが、虚飾であるからこそ幸福であり、愛おしいのだ。長年の確執を経て再び集った年老いた4人組が与太話を語り、そして期待を裏切らないお約束のフィナーレ。米国エンタメ黄金時代を駆け抜けた夢の物語を存分に味あわせてくれたイーストウッドに感謝したい。下世話になりがちなお話に品格をもたらしたトム・スターンの質感ある撮影とともに。
フランキー役ジョン・ロイド・ヤングは安定の一言だが、他のメンバー3人の人間味が好い。いずれもスクリーンではあまり見ない顔だが、キャラクタに演出が溶け込んでいた。(ちなみに心中では、スピードワゴン井戸田(トニー)、佐々木蔵之介(ニック)、ドイツ代表GKノイアー(ボブ)と呼ばせてもらっていた…)
ジョー・ペシ絡みのエピソードやら、ブラウン管にちらりと映る若き日のイーストウッドやら、楽屋落ちも楽しい。しかも、こんなところでタモリ倶楽部のオープニング曲と出会えるとは…
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