[コメント] 物語る私たち(2012/カナダ)
ちっとも深刻ぶらず、自分の出自の謎で楽しげに遊んでいるようにみえる。この大らかなゆとりは、陽気で奔放、誰からも好かれたという母に対するサラ・ポーリーの敬意の証しであるとともに、母から娘に受け継がれたサービス精神という血統のせいかもしれない。
その点において、このドキュメンタリー映画はサラの両親に対する(たとえ、それが誰であろうと、自分をこの世に誕生させてくれた者への)愛と感謝のための創作物なのだ。
「物語」を創らずにはいられないという、この衝動こそがが彼女が根っからのクリエーターであることの証しなのだが、なんとサラは最後の最後に、物語を語る役割を観客に放り投げてしまう。
とってもお茶目な人である。きっと母親似なのだろう。
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