[コメント] インターステラー(2014/米)
極めて東洋思想的なアプローチと、圧倒的な構成で観る者を圧倒する。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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何か記録を残しておく衝動にかられ久しぶりの投稿。
『インソムニア』の時からずっと感じていることだがクリストファー・ノーランという監督は、内なる自分への飽くなき追求というか、日本人が古くから持っている東洋思想を持ち合わせている人だと思う。
この映画はとても不親切で、科学的な知識や感性がない観客には、語られる内容の信憑性が分からない。重力による時間の経過(23年!)や量子データをモールス信号で送ることなど「へぇ〜、そうなの?」と納得するしかない。見るものを制限する。凡人の私として若干の減点ポイントとさせてもらった。
それら科学的な描写は別にして、この映画は時間の流れと人間の成し得ることの限界について、とことん感傷的に語ってくる。死ぬ間際にカミングアウトするブランド博士の脆さや、マン博士の愚行など、いちいち人間の弱い部分を障壁にして、最後は時間や空間をも飛び越えて、自分の信念を貫き通す精神世界に突入する。 そして純粋な親子愛である。最後が良い。年下の父と再会した喜びの後、年老いた娘は「ここはあなたにはふさわしくない、アメリアを救え」と言う。時間のねじれが余計に感情を揺さぶる。それを圧倒的な構成力で畳み掛ける。涙が出た。
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