MI6の存在を英国政府が認めなかったら、この実話も公にはならなかったし、この映画のなかではそこを追及してはいなかったけど、ソドミー法は魔女狩り的に運用されていたのだろうと思い当たると、この物語の主人公アラン・チューリングの行き場のない悲しみが迫ってきて目の奥が痛くなるほどです。解読に成功したあとをもっと詳しく観たかったけど、存命中の人もいるし作戦のせいで亡くなったあまりにも多くの人の遺族への配慮もあったということでしょうか。アカデミー賞で脚色賞を受賞したグレアム・ムーアのスピーチは、アランへの追悼でもあったのだなぁ。キーラ・ナイトレイでは美人過ぎ、ケイト・ウィンスレットくらいをヒロインに持ってくればもう少しリアリティがあったかもと、私は思う。