[コメント] あらくれ(1957/日)
なかなか面白いんだけど、一方で成瀬作品らしい深みに欠けるように思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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高峰秀子のキャラクタライズは、ここまでやるかというくらいのエスカレーションがとても面白い。気性が激しいだけでなく、生命力のたくましさ。門番に排除されながら、学校の正門でビラを配り続ける姿に拍手。そしてラストのシークェンスが最高に痛快。宿敵おゆうをボコボコにして、二枚目男・仲代達矢に電話する姿の恐ろしくも痛快なこと。
その一方でテンポはいいがどうもメリハリがない。他の成瀬作品のように登場人物が人生の悪戯に苦悩するような姿が描かれない分、浅い気がする。人間描写に深みがない。上原、森、加東が演じるダメ男たちの造形も、キャラクターがそれぞれ異なって面白いのだが、どうも類型を抜け出せていない。
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