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[コメント] スター・ウォーズ フォースの覚醒(2015/米)

銀河のこちら側
HAL9000

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







2016年3月の時点(当時はサイトが落ちてたから)で5回観た後の当時のレビューに追加補足などして、『最後のジェダイ』に備えることにする。

すでに語られ尽くしていることばかりだが個人的にはプリクエルを否定した今作の作りはとても嬉しい。ルーカスの良い意味で卓越したセンスがSW世界の根幹だがそれと同時に彼のダメな部分もいい配分でこのシリーズにまぶされていて、この作品群の魅力となっていたわけだがプリクエルではダメな部分が上回っていたので残念に感じていた。ルーカスが3作撮ったという事実こそがプリクエルの存在意義だろう。しかし映画としては‥である。

だからこの配慮に満ちた新作は軽薄にも感じるだろうが、思想としてはスタート地点に戻ってきた感が強く、純然たる活劇でそれは復古的な香りがする。そういう作りだけにEP4と同じという誹りは免れないがJJは甘んじて受け入れるだろう。作家性のないのが作家性である彼は、わかってやってるから。

しかし実のところ中身は似て非なる部分がかなりある。それがルーカスでは出来ないところであり、すなわちドラマの部分である。今作の特徴は主人公をはじめとした主要キャラクターが生き生きとしていて内面の表出もそれこそわかりやすくなされている。これは新しいファン獲得のための若年層対策だろうがそこに過不足はないと感じる。しかもそれらが謎を呼んでいるので今後に期待させるフリにもなっている。人を描けなかったルーカスは銀河の彼方でこそ成功したが、JJとディズニーのSWはこちらに近い銀河で繰り広げられるのだろう。

今作で気に入っていたセリフにカイロ=レンの“I will finish, what you started.”がある。これをJJたち新しい制作陣がルーカスに対して宣言したのだと思えて仕方ない。ただし、2017年11月の時点で終わらせないことが判明。それは当時から疑っていたので「やっぱりな」と苦笑いするよりない。 そしてEP9以降のシリーズは「スカイウォーカー家の話ではない」とわざわざ宣言している。ということはやはり今回のシークエルはその逆だということになる。つまりレイは大方の予想の通り‥なのだろう。

(評価:★5)

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