[コメント] 追憶の森(2015/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
(書き換え前のコメントは以下の通りでそれもそのままで、さらに何が言いたいのかを付け加えて全面的に書き換えた
なんか日本昔話か何かでありそうな話だが、そんなに悪い映画ではないと思う。 大方の予想を裏切らない物語で、驚きや新鮮味に乏しい感は否めない。 せめて全編オールロケなら、とも思うがそれもかなわず、雨中のシーンのちゃちさにはいささか興をそがれる。 つっこみたいところは少なくないが、そういう類の映画ではないのは、自明であるから、おおらかな気持ちで、「そうか、そうか」と眺めるのがいいんだろうなあ。)
悪い映画とは思わないが、見終わってつらつら考えていて、自分がこの映画の何が気に入らないのか、ようやくはっきりと言葉で言えるようになった。
本作は、悲運のうちに妻を亡くし生への希望をなくした男の再生の物語、というのが一番のテーマではないのか。そしてこの映画でその男の再生に不可欠なのは、この世のものならざりしものなのだ。
神の奇跡でも幽霊でも妖精でも、その他人外のものなら何でもいいが、そういうものに助けられて男は再び生きていく道を選ぶ物語ではないのか。
現実に思わぬ出来事で妻なり愛するものを亡くした人はいくらでもいるだろう。そしてそれ故に人生に絶望してしまう人もいるだろうし、そこから立ち直り歩き出す人も、現実にはいろいろいるだろう。
それはそれでいいし、だからこそ現実は豊かで、敢えて言えば面白く、そして生きるに値する。
しかし本作では、悲運に見舞われた人は幽霊にでも助けてもらわないと生きる力をとり戻すことはできないと言うのだろうか?
言いがかりかもしれないし、そこまで言うかとかなんとか言わるだろうが、絶望して樹海に進んだ男が再び生きようとするのには幽霊もしくはそれに類するものの助けがあったというのは、本作の決定的な事実ではないのか。
私はその点がどうにも納得できないし、現実に及ばない映画ではないかと思うのだ。
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