[コメント] 山河ノスタルジア(2015/中国=日=仏)
これは、映画史に残る長いアバンタイトルではなかろうか。それがこれ見よがしではなく、素直に驚かされ、好感が持てる。しかも、アバンタイトル迄はスタンダードサイズで、タイトル後からワイドサイズになるという凝りようなのだ。3つの時代をまたがる構成だが、その時空またぎも見どころだ。
仔細は記載しないでおくが、時代を繋ぐシーン転換にも素直に驚かされる。さらに年月をまたがる記憶(登場人物のみならず観客にとっての記憶)の扱い方がとても周到なのだ。レトリバー犬、槍(長剣)を持って歩く少年、フォルクスワーゲンの車、タオの虹色のセーター、オーストラリアの海岸の写真、GO WEST、家の鍵。
画面造型という部分では、まず原色の色遣いが目を引く。特に赤。タオのコート、タオのセーター。そして、花火やダイナマイトといった道具立てでも驚かされるのだが、極めつけは、小型飛行機のシーンだろう。この意味不明さが驚愕だし、映画として好ましい。モンテ・ヘルマン『果てなき路』のようだ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。