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[コメント] 悪童日記(2013/独=ハンガリー)

原作は翻訳本発行時にすぐに読み、かなり魅了された。二作目、三作目とも同様に発売を楽しみにして追いかけたクチだ。しかし、それ以来、再読していはいないので、正直、細部は、ほとんど忘失してしまっているのだが、この映画は、第一感、綺麗過ぎる、と思った。
ゑぎ

 まず少年2人が美しい。歳も、もっと年少のイメージだった。さまざまな訓練(殴られる、目と耳を使わない、食べない、生き物を殺す等々)も綺麗に描かれ過ぎているのではないだろうか。あと、美術やロケーションもイマイチで、雪と吹雪の造型が貧弱だし、エンディングの国境付近の地勢についても、もっと荒々しい場所をイメージしていたのだ。といった具合に、原作と比較する行為は、建設的ではないとは思うのだが、しょうがないですね。映画の評価は極めて個人的な[満足度/期待度]なのだから。

 冒頭は、眠る二人の少年。画面の上下に顔がある配置のカットだが、これは幸福の象徴なのだろう。帰宅した父親の土産のセーター。爪切り。金色のスープ。これらは後に、魔女(お祖母さん)の家で対比されることになる。以降、二人の少年のツーショットは、横に並んでの、カメラ目線ショットになっていく。司祭館の女の顛末や、独軍が去って、赤軍がやって来る場面の簡潔な描写なんかは悪くなく、隣人のお姉さん、口唇口蓋裂の少女の見せ方も衝撃的だと思う。といったことで、ま、全体として、及第点と云って良いだろう。それでも、原作未読の方が楽しめる(吃驚できる)とは思いますが。

(評価:★3)

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