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[コメント] ハドソン川の奇跡(2016/米)

ぼちぼちイーストウッド作品だからと言って期待し過ぎてもいけない気がする。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







名匠クリート・イーストウッドの新作。御年86歳。だいぶお年を召されている中、絶え間なく新作を送り出す姿勢には頭が下がります。しかし、本作に関してはちょっと力及ばずというか物足りないというか、ノンフィクションが多い監督だとは理解してますが、何故この事件を取り上げたのか。そこまで取り上げるほどだったのか。よくわからんもんです。

この事件自体は機長が155人の命を無事に救った素晴らしい事件だとは思います。でも正直、引き延ばした感が半端ないのです。 見せ方が上手い!…うん、確かに最後の公聴会のシーンは特異な見せ方で面白かったけど。 機長の葛藤が伝わってくる!…んだけど不動の自信みたいなものもヒシヒシ表れてますし、ちょっと同情し難い気もするんだな。

結局この作品の事実自体はノンフィクションとして有名なわけだし、そこから何を見せるか・何を伝えるかがポイントなわけで。じゃあイーストウッドの描きたかったのは何かって、機長が英雄となるかパイロット失格となるかは紙一重の表裏一体ってことですよね。確かにそれ自体は公聴会のシーンだけでなく、相手側と何度か接触するシーンがあったからこそ引き立っていたとは思います。でも機長の葛藤なんてのはそれこそ不安みたいなものしか伝わってこず、もっと苦しむ機長の描写があってもいいと思う。その辺りの様がパッとしないから無理やり引き延ばしたように感じるし、事実を淡々と見せてるだけに感じる。

それこそ今作で魅力的だったのは機長と副機長の関係。この二人だったからこそ、っていうシーンをもっと見せて欲しかった。 まあ機長が言うように「全ての人の力」だということを実現するかのようなエンディングは素敵だったのだが。 多くの方がイーストウッドを称賛して好評されている中で心苦しいですが、私は落ち目なのかなと感じました。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ジョニー・でぶ Sigenoriyuki

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