[コメント] 永い言い訳(2016/日)
すごいすごい。撮り方★5 話★4.5 役者★5 ペペロンチーノ氏が紹介していたシネスケのコメントで見る気になった。冒頭から、画面と効果と役者の済みずみまでさりげなく配慮を行き届かせてまったくスリリングだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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シーンのつながりがすばらしい。見ているときは興奮していた。具体的に指摘したいがもう思い出せない。ネット環境の扱い方、メディアの描写、TV画面の映像、ラジオの音、何より本木演じる太宰治風インチキ野郎の描写、どれをとっても文句をつけるところがない。もちろん内容的に見解の相違はある。しかし映画的表出において過不足なく演出されているその手腕に驚くほかない。終盤海のシーンのファンタジーにはやられた。授賞式の子どもの挨拶の省略法など、最適な選択をしていると思えた。地震の描写、黒木先生の出番の少なさ、などごくわずかの瑕疵はあるが、それは要するに好みの問題として片付けられる。山田真歩も個人的には収穫でした。原作は自作の小説ですか。直木賞候補作ですか。こんど読んでみよう。
それで読んでみたら、あっとびっくりだ。冒頭散髪のシーン。バラエティをやっているTVを消すかどうかで口論になる。このバラエティの中で「ぬえ」がどうとか言っている。これ何かあるな、と思って見ていたが、実はこのTVは幸夫が出ている番組で作家幸夫に「ぬえ」の漢字が書けますか、という画面だったのだ。これはわからなかった。そこまで仕組むかよ、と思ったが、制作者は画面隅々まで企みで満載なのだった。シン・ゴジラも君の名も本気で作ったものは皆面白い。ここ以外にもきっとこだわりの設定だらけなんだろうな、と思いました。
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