シンクレアは妻の希望をかなえるために、お金も労力も惜しまず根回しし、妻とはできないので恋人まで作る。男の人にとっては、これは愛なのか？

私は女なので、到底愛情とは思われない。むしろ、憐れみをかけられているような気がする。本当はシンクレアを含め、自分のまわりのみんなが自分を憐れんでいたのだと知らされるなんて哀しすぎる。どんなにむごいことであっても、真実だけが人を救うことができると思う。シャーロックや榊マリコくらいズバッと真実を言えたら、みんなが楽になれるのに。本当のことが言えないのは、可哀想だと思っているからでしょう？親しいと思っている人に、実は可哀想な人だと思われていたなんて、惨めな気持ちになる。

フローレンスとシンクレア夫婦が白々しい一方で、シンクレアの彼女は生々しい女として登場していてよかった。「二股はいいとしても、もっと尊厳をもって接してほしい」というのは、二股をかけられてなくても、フツーに思うことだろうし、尊厳をもって接しようと思えば、真実を言わざるを得ないわけなので、やっぱりフローレンスの夫婦関係をうらやましいとは思えない。

とはいえ、 ヒュー・グラントは相変わらずキュートで、それだけは楽しめました。