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[コメント] 妻(1953/日)

なんという厳しさ。もう後半は始終ニヤニヤしっぱなしで見てしまった。冒頭の上原謙高峰三枝子の視線を交錯させない演出もいいけれど、やっぱりラスト近くの高峰と丹阿弥谷津子の対決シーンが素晴らしい。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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 ミルクホールの窓の向こうに電車が通るという演出がなんと効果をあげていることか。もう驚愕してしまう。高峰のガサツさに比べて丹阿弥はとても凛としている、という中盤からの対比も上手い。

 また三国連太郎がちょっと「なよなよ」した画学生を演じているが、しかしいゝ味を出しているし、高峰の友人役・高杉早苗も面白い造型だ。ヒラメを持ってくるシーンで包丁を研がされる上原。高峰がろくに料理をしないことがよく判る。

 何にも解決せずに終わるラストの宙ぶらりん感と踏み切りの画。この映画には成瀬巳喜男のエッセンスが詰まっている。

(評価:★4)

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