[コメント] 永遠の戦場(1936/米)
『暁の偵察』『今日限りの命』と並ぶ第一次大戦厭戦ものの秀作。国策戦争映画好きなホークスという認識を改めさせられるし、フォークナーも流石。ジューン・ラングのリアリズム無視の美しさは欠点と云うべきだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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キューブリック『突撃』を明らかに想起させる塹壕戦は、スケール感こそ及ばないが投入されたネタはこちらの方が優れている。戦闘地帯で半殺しの味方兵、敵の坑道を掘る音。終盤に取っておかれた戦場突撃の件は物量投入激しく圧倒的。ここでもホークスらしく編集が抜群であり、兵が佇立していたカットに続いてそこが爆破されるシーンが絶妙、これが本作のベストショットだろう。ナポレオン戦争の亡霊のようなライオネル・バリモアと失明したワーナー・バクスターの父子の爆死は壮絶である。フランス国家の鼻歌も忘れ難い。
三角関係のメロドラマは説明不足で決して上手くいっていないが、陽気が次第に鬱になるフレドリック・マーチの造形はさもありなんという説得力があった。バクスターの演説を引き継ぐマーチは『暁の偵察』の変奏。ラストで音楽は原題を思い出したかのようにマーチを奏でるが、明らかに監督の意向無視だろう。邦題のほうが原題より的確である。
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