コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 鉄男 TETSUO(1989/日)

ポコチンドリルの哀しみ。
muffler&silencer[消音装置]

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今から13年前(1991年)ごろだったと思う。わたしがNYに留学中、この映画がかかっていた。アンジェリカ劇場だったか、確か、美輪明弘の『黒蜥蜴』も同じ頃かかっていた。「全身が鉄の凶器になってしまって、愛する人に触れられない、悲しい映画なんだって。観に行こうよ。」と友人に誘われたものの、結局見逃していた。

そして、13年ぶりに観た。カナシイ映画だ。

穿った見方かもしれないが、身体の金属化がHIV感染のメタファーに思えた。この映画が製作された1980年代以降のエイズ蔓延の時勢と重ね合わせ、ラストに漂うホモセクシャルな匂いを考えると、あながち否定できないのではないだろうか。いや、考えすぎかな。

とにかく、あのコンドームも突き破るであろうポコチンドリルに深い哀しみを覚えた。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)moot ina

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。