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[コメント] 危険な情事(1987/米)

公開当時、「彼氏の手を引っ張っていって無理矢理見せた」というような話をよく聞きました。浮気をするのは男! という固定観念が生き残っていた、ある意味「マッチョ」な時代……「十年ひと昔」だから1.5ムカシかぁ。(新世紀に再見して思ったこと →)
かける

時間の経過、時代の変遷、こういう題材で、以下のようなモードを感じるのは、ちょっとイヤだったりもするのですけれど……

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現在の映画における夫婦関係の描き方は『マディソン郡の橋』『イングリッシュ・ペイシェント』といった妻の不倫を朗々と歌い上げる、といったモードへのスイッチが見られます。その一方、夫の方のものは『ディスクロージャー』の逆セクハラのようなものになったりもしているわけです。

女性の浮気、不倫というものが顕在化してしまい、それこそ「ガサ入れ」的な日常になってしまったのに、男性はアクションを起こせない……というのは、男性の立場が相対的に低下しているせいもあるだろうし、「男はカクアルベシ」なんて「マッチョ幻想」を、男性自身が今も変わらず持ちたがっているからだ、とも思います(そうして時代からも女性からも取り残されていったりしてるわけですね……)。

ひさしぶりに観てみたら、そんなところに時代の空気の移り変わりを感じてしまいました。

善悪の相対化というものが、ある種の民主化なのは真理であるにせよ、現代社会は傾向としてどんどんカオスに突入していってしまっているんだなあ、と、それこそフクザツな気分になってしまいました。

(評価:★3)

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