[コメント] 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)(2017/米)
差別や憎悪そして相互の不理解。人はどうして傷つけ合わなくてはならないのか...もはや「猿の惑星」という枠組みを超えた大きなテーマは、2時間の尺で語るには荷が重すぎたのかもしれない。いたずらに登場人物を殺めてしまう演出には疑問を持った。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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今回のリブートシリーズは基本的に「出エジプト記」の模倣であって、いかに知能を持った猿の世界は形成され、対抗勢力や造反者を退けてきたかという事が大きなテーマであった。
シリーズ最終作である今回の作品の製作にあたっては相当の労苦があったことは想像に難くないが、やはり数年の準備期間で聖書のひとくだりに匹敵する物語を紡ぎ出すことには無理があったのかと思う。
また、一貫して独善的な聖書の世界を模倣しつつも、9.11後の世界における揺れる価値観の影響は逃れえないわけで、その点でも演出がひたすら親子の情や登場人物の抹殺による安易な感傷に流れてしまうのは残念だが致し方ないところか。
あの猿たちの世界で後の世に作られる「聖書」には、シーザーがモーゼさながら、神の力で雪崩を起こして人類を一掃した奇跡が描かれるのだろうか。
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