[コメント] ミッドナイト・バス(2017/日)
ニイガタ・バイ・ザ・シー。
期待をはるかに超えてよい映画だった。観る前は2時間半を超える尺の長さに身構えたのだが、この家族の物語を丁寧に紡ぐのにはこれくらいゆったりとした時間が必要だと得心。映画が終わっても、彼らの行く末をずっと見守っていたい気持ちになる余韻と好ましさがある。
登場人物は皆善良な人々だ。そんな人々が、ちょっとした行き違いから関係につまづき、心を離れさせ、そしてまた近づいてゆく。それを象徴するのが、新潟と東京の、遠くて近い距離感。新幹線なら2時間、深夜バスでも4〜5時間あれば行き来できてしまうが、劇中何度も登場する関越トンネルのこちら側とあちら側では、気候も、空気も、人と人との間柄も、時間の流れも、すべてが同じようで、違っている。山本未來のセリフであった通り「この街は寒すぎる、だからより一層人の暖かさを感じられる。」
小西真奈美がよい。原田泰造と人生ゲームしながらの会話が可笑しくて、切ない。長塚京三も素晴らしい。「これが枇杷茶だと?美味すぎる!」このセリフをあんなに渋く決められるのは彼しかいない。
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