コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ファースト・マン(2019/米)

人類初の月着男も宇宙服脱げば家庭人。茶の間の延長に宇宙がある的アプローチ。かえって緊張感が増幅された感じ。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 NASAが進めるアポロ計画以来の有人月着陸計画、アルテミス計画の月着陸候補地が先日公表されました。それはともかく(←関係ない)、こういう映画を観ると、これまで本当の意味で「宇宙航海」をしたと言えるのはアポロ計画の21人だけ(と言っても一番近くの「島」に行って、帰ってきただけだが)てな気になりますが、どんなもんでしょう。前沢くん含むその他の宇宙飛行者は前浜でピチャピチャ遊泳しだだけ、「海」に入ったとは言えるが「航海」したとは言えない、みたいな。ああ、「長期遊泳」した人たちはいますな。

 でも当時、アポロ11号の「成功」の陰にもいろいろな出来事があったのね、という気にはなりました。成功したことを知っているはずなのに、何か起きるんじゃないかとハラハラドキドキさせる演出力も上手だったと思います。ニール・アームストロング(ライアン・ゴスリング)の堅物的な生真面目さが、彼をして初号機の船長に選ばせ、人類最初の一歩を記す立場にさせたのだと感じさせられました。彼という人物とその周辺に視点を絞り、そこから描いていったのが功を奏したのでしょう。技術的なブレイクスルーだったり、訓練によって乗り越えていったりみたいなテーマではない、徹底した人間ドラマ。コロンブスの卵的な視点の新しさがあったと思います。彼が、自身の任務の危険性(帰ってこれない可能性がある)を息子たちに伝えようとするなんてシーンがちょっとしたクライマックスだったりしました。奥さんとのガラス越しの邂逅シーンのラストも、納得感というか落ち着き感がありました。

80/100(22/9/3記)

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。