[コメント] バースデー・ワンダーランド(2019/日)
前半1時間が弛緩しきっていて、後半に急加速してストーリーが進行していくので、観客が振り落とされてしまってもしょうがないのではという印象。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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メインストーリーの展開に絡んでこないアカネ(松岡茉優)の叔母チィ(杏)をこんなにフィーチャーする必要はなく、これが全体のバランスを欠く大きな原因になっているのではないかと思われる。
この異世界ならびにそこの登場人物、そして異世界での展開に対する説明があまりに不足しているために、ストーリーは進むもののそこに劇中のリアリティを感じることができない。これで「滴切り」に観客のカタルシスを求めても、観客がそこについて行っていないのだから厳しいと言わざるを得ない。
情報伝達のタイミングと量の計算が甘かったのではないか。ザン・グ(藤原啓治)やドロボ(矢島晶子)の葛藤をアカネやピポ(東山奈央)が解放するという展開に説得力を持たせるためにどのエピソードが必要だったのか、もっと綿密に検討されるべきだったのではないかと思う。
アートワークの世界観が確立されている分、それを作品として生かし切れていないのは大いに残念である。
(2019.05.06 シネプラザサントムーン)
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