[コメント] 魂のゆくえ(2017/米=英=豪)
ポール・シュレイダーらしい任侠映画。ヤクザやタクシードライバーやベトナム帰還兵と同じく、本作では聖職者がラストで殴り込みをかける。
ラスト以外でも、主人公の牧師イーサン・ホークと『タクシー・ドライバー』のトラヴィス=ロバート・デ・ニーロとの類似性はいろいろと指摘できると思いますが、その中でも、社会悪に対する(明らかに身勝手な)決死行への志向性が矢張り重要だろうと思う。また、本作の、この部分は、図抜けて面白くもある。有刺鉄線を取り出し、巻き付け始めた際には笑ってしまった。
あと、誰もが感じるんじゃないかと思うのだが、アマンダ・セイフライドとのマジカル・ミステリー・ツアーのシーンはちょっと突出感がある。この場面までが、ベルイマンやブレッソンといった人の名前を喩えに出したくなるような、非常にきめ細かな演出基調であっただけに、このシーンの、人を食ったような幻想性に驚かされるのだ。私はオリヴェイラみたいと思った。
#マジカル・ミステリー・ツアーの場面は2人の呼吸音が強調されているのだが、ホークの口臭(酒気)が気になって仕方がなかった。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。