[コメント] 僕はイエス様が嫌い(2019/日)
中学生のプロ将棋棋士や10歳の女流プロ囲碁棋士がいる現代で、こんな事を言う必要もないのかも知れないが、これが大学生監督の作品である事に驚かざるを得ない。雪景色が人間の心を浄化してゆく。☆3.8点。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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海外の批評家たちが驚いたように、私も子供たちの演技・演出には非常に驚いた。天才子役というと芸達者な女の子や神懸かった男の子だが、この映画を主演した二人はもっと自然体だ。
ただ短い作品でもあり、大きな事件に対して人物たちが深く交錯したり、そこにもう一つ大きなうねりが起こるという訳でもない。少年が悲しみに直面した中で神をどう位置付けようとするのか、という始まりを描いているに過ぎない印象だ。
最後のシーンを監督は「『沈黙』などと比較するひともいるだろうと思う」と言っていた(と思う)。詰まり彼自身がそこに或る程度の宗教的解釈を提示したのは間違いないのだが、私には『沈黙』などと比較する程のメッセージは感じられなかった。
この作品に於いて最も力強く響いたのは、主人公から親友に向けて読まれる弔辞だ。その弔辞を望んだにも関わらず、主人公以上に破壊され悲しみの底に突き墜とされてしまった親友の母親は、その言葉を聴く事すら殆ど出来ない。それを目の当たりにし乍らも、主人公は言葉を絞り出す。嘘の言葉を消し去り、改めたその内容には、私たち観客にとっても些か衝撃的な内容を含んでいる。
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