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[コメント] COLD WAR あの歌、2つの心(2018/ポーランド=英=仏)

相変わらずモノクロで攻めるパブリコフスキ 。冷戦を舞台に男と女の本質的な愛を掘り下げる。といっても、この狂おしい愛は古今東西、文学にも映画にも今までいやほど描かれています。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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例えば分かりやすいところでイギリスのエミリー・ブロンテが「嵐が丘」でキャサリンとヒースクリフの愛憎を亡霊になるまでとことん描いております。この映画も、お互い見た瞬間に永遠に運命の人となったお二人。まず体から震えるんですなあ。そして時間が惜しいようにスタンディングで、これが真実の愛ですネ。

映像もいろいろ今回も挑戦しているが、冒頭からちょっとだけ何やらやっておりますが、あとは予算の関係でしょうか、通常のモノクロが続きます。話としては、背景に戦後のいわゆる冷戦を描いているが、この作品の場合、それほど政治的ではなく、むしろ彼らの愛を妨げるツールとして捉えています。

男と女がこんな鍵穴にぴったしはまってしまう関係というのは、ある意味人生的には不幸なんでしょうなあ、若い時には素晴らしいと思っていたものも、この年になってくると、変に透けて見えてしまいます。いやいや、いけません。人生、何があっても突き抜けなければねえ、、。

俳優はズーラ役のヨアンナ・クーリグは絶品。ヴィクトル役の男優は50歳近くに見えたので、ちょっと微妙。もっと若いほうがよかった感もします。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)jollyjoker[*]

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