[コメント] 永遠の門 ゴッホの見た未来(2018/英=仏=米)
なんでゴッホはああいう描き方になるのか、たいていの人はわからない、当時の人はもっとわからない。ゴッホですらわからない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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既成の絵画では描けていなくて、ゴッホ自身には見えるものがある。どうして誰もそれを描かないのか? だから俺はそれを描く! だけど描き方がわからない。正確にいうと「他人にわかってもらえるように描けない」と。
絵画史に詳しくないのでよくわからないけど、モネなんかは対象と自分の間にある空気の感じを描きたくて、試行錯誤の末、空気の中で散乱するさまざまな光の色を描くという方法論に、ゴッホなんかに比べるとすんなり到達できたっていう感じなのかな、と思う。俺の描きたいイメージはこういう方法で描けばいいんだ、という確信を得ることができた。宮崎駿が原画を描く時、次の線の動きを見つけるのに「生きた線がどこかにあるはずなんだ」とブツクサいいながら、1枚前の絵とパタパタやっては何本も線を描いては消して次につながる線を手探りで探していたドキュメンタリーを見たことがあるけど、そういう表現者の頭の中にあるものだとか、自分には見える物を、「どうやって他人にわかるものに置き換えるか」という葛藤があって、本作はゴッホのそれに焦点を絞ったものなのだと思う。必ずしも遠近両用レンズみたいな画が正鵠をついているような気はしないけど、歩く足元と草を踏む音なんかの画や、麦畑の色使いなどの画面の色彩や自然音の設計なんかを見ると、監督の言いたいことは伝わってくる、という感じだった。面白いし意欲的なテーマだと思う。
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