全てが弱肉強食の競争社会を前提にしているところが、日本人的感覚の勧善懲悪とはテイストをだいぶ異にする。

セクハラ自体女性キャスター同士の競争心につけいったものだし、悪党を追い落とす手段は訴訟による激しい戦いなのだ。シャーリーズ・セロンとニコール・キッドマンの女優同士のバチバチ感が劇中のキャスター同士のライバル意識に重なっていく。マーゴット・ロビー含めた3人だけがエレベーターで一緒になるシーンの微妙な空気と緊張感。テンポのある展開はいいんだけど、そういう映画的なシーンがもっとあるとよかったかな、と。

そっくりメイクだったり、登場人物が時折りカメラ目線で喋るところだったり、FOXニュースのビルのフロア配置を楽屋オチっぽく説明したりするのは、ちょっとイジってる感じがして悪くないと思った。