[コメント] ルース・エドガー(2019/米)
青いロッカー。扉が開き、紙包みが入れられる。続いて校舎の沢山の窓。この出だしから、本作もドアと窓の映画であることが、強烈に印象付けられる
全編中、一番興奮させられたのは、校長、ウィルソン先生、両親との面談に向かうルースと、体育館でのチアの練習風景(これがドアからのカット)とのクロスカッティングだ。この面談場所も、透明なパーティションとドアで仕切られたミーティングルーム。その他、窓で云うと、ウィルソン先生の自宅の窓や、林の中の小屋の窓などもある。
原作は戯曲なので、どうも演劇的なプロットが残っているきらいがある。まず大きいのは、ウィルソン先生の妹の存在で、グロッサリー・ストアでルースと会って会話する場面も不自然だし、この人のシーンをまるまるカットしても(した方が)良いのではないかと思った。もう一つ。魚の扱いだ。観客へは、両親の会話として知らされている過去の出来事だが、ルースもまたこだわり続けていた、というのは、私には少々作劇臭く感じられる(想像していた魚と違うし)。
上に書いた面談前の場面等で流れるインパクトのある劇伴と、全編に亘って、冷厳な空気の醸成を狙ったのだろう、粗い画面の造型は見応えがあった。
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