コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] その手に触れるまで(2019/ベルギー=仏)

それほど好みではないが、来るといつも見てしまうダルデンヌ作品。その素朴で、リアルな作風が画面を疾走する。
セント

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







今回は、イスラム原理主義に感化された子供を追う。宗教だけは、何とも人類史上的にも難しい範疇に入る想念だろう。そこに踏み込み、論議することを許さない何かがあります。

ダルデンヌもそんなことは分かってはいるので、ある少年の意識を素直に正直に紡いでゆく、、。そんな時間の動きをじっくりみんなで見ましょうや、と言わんばかりに、ものの見事に映像は観客を吸い寄せてゆく。

少年の心の動きはしっかり見続けたつもりだが、ラストのあの一瞬の時間で、少年はあれほどかたくなだった心を融解させる。その反転へと動く瞬時にこの物語は止まる。

ある意味、観客へのアンフェアとも取れるが、それはこの監督の信念を通す潔さとしたい。やはり秀作。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)ぽんしゅう[*] ゑぎ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。