[コメント] 佐々木、イン、マイマイン(2020/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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日常がオレを緩やかに殺す。終わった恋が、作業と食い扶持の労働が、停滞する夢と現実がオレを殺していく。なんならオレの人生そのものが、オレをジワリ絞め殺していくようだ。
でも忘れんなよ、カップ焼きそば糞ウメ―よ、、、
違った、忘れんなよ佐々木を。
ギターの歪み、疾駆するチャリンコ。キタキタキタキタァァ!!「ユウジ時速100キロいける?!!」感じる風圧はおっぱいの感触。
夕暮れの佐々木のアパート。「オトナの象ってどうやって話するかしってる?」「低周波の人の耳には聞こえない音で会話するらしい」人間のオトナとはどうやって会話するんだろうな?
パチンコ屋。(働けばいいじゃん)「ムリ。まともに働くなんてオレには無理。でも彼女、、、ほしいな、、」(なんだよ佐々木、寅さんかよ、、)
プカプカ。佐々木の好きな歌を歌う女。声をかける。みゆきはどうですか、ホントいいよな中島みゆき。
忘れんなよな、あのカラオケペルシャ館を。
いいなーと思った。心底思った。そんなひととカラオケした、世界が見違えった。ああいう瞬間、生きてるとそれでもあるじゃん。(そんなこと寅さんも言ってたけど)
恋沙汰じゃなくても、そういう瞬間あるじゃん。なんか世界が美しく感じる瞬間。すぐそば、傍らに感じていた退屈が、死が、遠くに消えてしまう瞬間。
その時オレは蘇るだろう、死にゆくオレは蘇るだろう。オレの人生は、あの明け方ペルシャ館のネオンのように美しく再び灯るだろう。
死に向かい、弛みきった日常と人生は続く。誰もオレの名など呼ばない。
しかし死にゆくオレは蘇るだろう、何度も蘇るだろう、コールを受けた佐々木のように。
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