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[コメント] 聖なる犯罪者(2019/ポーランド=仏)

主人公ダニエルを演じる俳優の「眼差し」が秀逸。聖職者と犯罪者の両方の姿で私に語りかけてます。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







もちろん「制服マジック」みたいなものは大きいと思います。法衣に袖を通すだけで、司祭の風格を漂わせる。それだけで町の人々の信頼を集めたわけではないと思う。

実在の出来事をモデルにしているということで、そちらはどんな人だったのかは判らない。しかしこの主人公の俳優は、見事に体現していると思う。

この映画を見て、最初に思い出したのは、鶴瓶主演の『ディア・ドクター』。それと『獄門島』。「獄門島」をなんで思い出したかというと、小さい島の「顔役」として「僧侶・医師・村長」が登場する。この三つの実力者には、みな頭が上がらない。「ディア・ドクター」では医師、そしてこの映画では司祭。いかに小さい街に影響を与えているのかがよく判る。

このダニエル、最初に教会を訪れた時、普通にミサを受けていたらどうだったのか?最初から製材所に行かず、教会に行ったから、司祭を名乗るつもりで立襟の祭服を用意していたのだろうか?しかし「代わりに司祭を務めて」といわれて、慌てて逃げ出そうとしていた。「ちょっと真似事がしたかった」ぐらいの気持ちだったのだろうか?

なぜダニエルは「7人目」にそんなにこだわったのだろうか。そこははっきりとは判らなかった。しかしこれも顔役の「町長(権力者)」に真っ向から挑む。町長にしても「今更町に波風を起こしたくない」という、町長としての責任もあっただろう。しかしダニエルの「聖職者としての」強い想いが、人々を突き動かした。ある意味、この町に司祭として「根付いた」のだろう。

しかしダニエルの「欺瞞」を「神は許さなかった」。製材所で少年院の仲間と鉢合わせする。そこで彼は強請られる。その次に寄付金を集めるシーンがあったので、まさか?と思ったら、7人目の葬儀の費用だという。脅しに乗らなかったが、その結果、本物の司祭にバレてしまう。

最後、祭服を脱ぎ捨て、教会を去る時に「神のご加護を」と声をかける場面でジーンときてしまった。

この映画、「R18+」だというので、暴力的なのか、濃厚な性描写があるのかと思ったが、「それだけ?」の印象。ゑぎさんの言うとおり、ちょっと首をかしげる。「R15+」ぐらいでもいいのではと思うが。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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