[コメント] まともじゃないのは君も一緒(2020/日)
勿論、清原果耶と成田凌とのやりとりが、とても面白く、2人が歩きながら会話するのを、正面から手持の後退移動で撮った長回しなんかが、目に焼き付くのだが、いや、私はそれにも増して、泉里香と成田のシーンの間がいいと思った。
天ぷら屋でも夜の舗道でも本屋でも。二度目の天ぷら屋の場面で、カウンターにうつ伏せする泉のカット!全くファンタジーだ。それだけに、泉の終盤での選択には幻滅するが、小泉孝太郎も含めて、懐深い描き方であるという点は、認めるべきだろう。
この映画、コメディとして、かなりいいところまで行っているとは思う。清原が恋に落ちる瞬間の分かりやすさが感動的だし、タイトルの通り、彼女が成田以上に普通じゃなくなっていくのも、過剰さが映画的であると思う(山谷花純と倉悠貴のスナックの場面はやり過ぎかも知れないが)。
たゞ、ひとつ私がとても残念だと思ったのが、終盤の予備校での、机を挟んだ2人の切り返しシーンだ。清原に激昂する成田。私はこゝが本作の一番良い場面だと思うのだが、周りの人たちの反応を挿まないのは、どうだろうか。周りの先生や生徒のリアクションと、それに対する2人のリアクションも描くことで、さらに、ぶっ飛んだシーンになるのだと予想しながら見ていたのだ。
というワケで、ちょっと減点したくなる部分もありますが、ラストは落ち着きの良いエンディングで、成田の引き笑いへのイジリ含めて、丸く収まり、気持ちがいい。尚、本作は、横浜を主な舞台としていますが、ラブホ前のシーンの背景で、夜の野毛都橋商店街が出てきましたね。最近、邦画でよく見る場所。でも、やっぱりこゝ綺麗。
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