[コメント] サマーフィルムにのって(2021/日)
『サマーフィルムにのって』的にはラストシーンは手放しで素晴らしいものの、
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「武士の青春」だけをみているその場にいた観客は正直ポカンだと思う。ただ、それを抜きにしても「ラストシーン」は見事な立ち回りと幕切れだった。
松本監督は映画を愛しているんだなとひしひし伝わってくる。映画を撮りたいと思って頭の中で思い描いていた人を探す、そして見つかる、そのときの興奮を見ていたら自分がハダシ監督になった気分。大人になって商業映画を作るとなったらこんなに純粋には作れないかもしれないけれど、この映画の中での伊藤万理華を見ていると監督にとってはちゃんと思い描いていた人なんじゃないかと思った。それくらい伊藤万理華は躍動感に溢れ、いろんな顔を見せてくれた。
ハダシ監督は「好きと言わないで好きと表現しなくちゃだめじゃん」というようなことを言っていた。そう、本当にそうだと私も思った。でも、好きを言うか言わないか問題を花鈴と話し合ったりする場面もはさみ(途中から花鈴の存在がびっくりするほど重要化するのもよかった)、「ラストシーン」の撮り直しではハッキリと「好き」と発言する。一周回って好きを伝えるために好きを言う、好きを言うのを選ぶ、この過程と選択はあざといけど良かったな。
追記。映画をみた翌朝起きてふっと思い出す。凜太郎の、撮影時に全然OKが出なかった「さようなら」のセリフが実感をともなって「ラストシーン」で発せられたことを。
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