これって、『ベン・ハー』に例えれば、ガレー船から助かったあたりで「続く〜」と切った様なものではないでしょうか？これで興行成績があがるのか、野次馬ながら心配になります。

母の位置関係の進展で示される主人公の成長。冒頭のいかにもナイーブな若者が、その後宇宙を背負って立つ救世主に成長してゆく過程は本当に楽しみだし、存在感のある音楽もすばらしいけど、見終わって気づいてみるとヤマがなさすぎな気がします。それで一寸も眠らせないとこが偉大だけど、せめて胆汁を飲んで覚醒するとこ位までは見せてほしかったなあ・・・

もちろん、デビッド・リンチ版に出てくる、あの航宙士や、あのハルコンネンの母星や、あの妹や、宇宙航行シーンを出せとは言いません(あれはあれで好きですがw)。今回のは全く違った作品で、「青くなった瞳がドーンと大アップになって横スクロール」なんて下品(？)な事はしないんでしょう。ただ、Part2への道筋となる映像が、砂漠の決闘では地味過ぎると思います。

個人的に残念だったのは、頻繁に夢に出てくるフレメン人の娘で、この人は主人公の未来を示す本当に大事な役ですが、なんだか高校の学級副委員長みたいであんまりオーラを感じられません。(こればかりはリンチ版の人の方がよかった)。 主人公とその母親さんが、少なくともPart3あたりまで今回のテンションを持ってきてくれる事を望みます。