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[コメント] 355(2022/英)

ジャングルの真俯瞰。ヘリのフレームイン/アウトに驚かされるカットだ。これはドローン撮影だろう。続く邸宅の俯瞰はクレーンか。しかし、この時点で、美しいプリントだと感じて嬉しくなる。撮影は全体に綺麗だ。
ゑぎ

 5人の女優が皆、美しく撮られている。ファン・ビンビンはちょっとサイボーグみたいだが、それは演出の責任だろう。ジェシカ・チャステインペネロペ・クルスダイアン・クルーガーは、それぞれ実年齢よりも10歳ぐらい若く見える。でもやっぱり、一番若いルピタ・ニョンゴが、私には一番綺麗に見えた。彼女のマニッシュな衣装も可愛いのだが、肌の発色が綺麗に撮られているのだ。また、過去の戦闘の経歴を表している、左頬のキズもいい。スカーフェイス。

 アクションシーンでは、細かな小さなズームを頻繁に使う。最初のコロンビアでの銃撃シーンにはなかったので安心していたが、ラングレーの、チャスティン登場の格闘トレーニングシーンからこれをやる。ただし、アクションは、全般に安定した面白さだ。クルーガーとチャステインとのパリでの最初の追跡劇、特に、メトロ(地下鉄)内の場面が見せる。あるいは、生鮮市場から桟橋に至る三つ巴の追跡とアクションも興奮させる。主役は勿論、チャステインだが、その対抗、二番手は、クルーガーなのだ。ペネロペ・クルスも良い登場シーンを与えられているが、もうちょっとツイストのあるキャラかと思って見ていた。本当は、メチャクチャ強いとか。でも、彼女の存在は、後半のアクションシーンで、いいアクセントになっている。

 舞台は、コロンビア〜ラングレー(米国)〜パリ〜ベルリン〜ロンドン〜パリ〜マラケシュ(モロッコ)〜上海〜と続く映画だが、モロッコから上海への移動シーンあたりから、彼女たちのスポンサーは誰?(MI6?)とか思ってしまうし、上海のオークションに参加するための準備資金も(ドレス等も)、疑問なのだが、そういうことを考えてはいけない映画だろう。この荒唐無稽さを良しとすべきだと思う。また、中盤以降、彼女らのうち、家族やパートナーなど、待つ者がいるメンバーと、そうでないメンバーの対比を何度もやるのは、情感を盛り上げると共に、危なっかしいなぁとも思わせる。案の定、むごい展開になり、彼女らのリアクション含めて、引っ掛かかるものもあるが、この厳しさも良しとしたい。尚、ラストの科白は、続編を示唆するものだろうが、はたして叶うだろうか。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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