[コメント] パリ13区(2021/仏)
大きな瞳に自身の衝動への戸惑を浮かべつつ暴走し、人生のレールに乗れないインテリ崩れをルーシー・チャンが好演。柔らかなトーンのモノクロ映像が性描写の生々しさを中和して美しい女性映画。何といってもWebという“逃避空間の女”の存在が現代性を担保する。
やはり本作が秀逸なのはWebポルノスター・スウィート(ジェニー・ベス)と苦学生ノラ(ノエミ・メルラン)の顛末。これは脚本に参加しているセリーヌ・シアマの功績だろうか。彼女の脚本・監督作『トムボーイ』(2007)や『燃ゆる女の肖像』がそうだったように、本作もまた「見つめ合う」ことで互いを触発する“視線”の映画だった。
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