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[コメント] トップガン マーヴェリック(2022/米)

トップガンの教官はマーヴェリックであって、現代のアクション映画界の教官がトムなんでしょうね。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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コロナの影響で公開が延期され、それでも劇場での上映にこだわり2年越しに公開された本作。『トップガン』のリアル30年後を描いた作品で、巷ではすこぶる評判が良いので見る予定ではなかったのに気になって鑑賞してきました。 まあそれはなぜかって前作にハマらなかったからで、当時は海軍志願者が続出するほどの影響力があったそうですが、自分が見たのは7年ほど前であり、音楽や王道の展開を楽しみつつも、そこに乗り切れなかったのが本音のところ。 一応今作を見るためにほとんど内容を忘れてたので復習してから劇場に行きましたが、前作の印象がそこまで大きく変わることはなく、過度に期待はしていませんでした。

ところが本作はもう冒頭からすごいんですよね、ワクワクが。復習したからよくわかりますが、冒頭ではしっかりと前作を思わせる演出を現代版にアップグレードし、あの若々しかったマーヴェリックがさすがにベテランのおっさんに成り果てたと思ったら、マッハ10の領域を超えていくとか、やってることは若い頃と変わらんやん!ってなって。しっかり前作をリスペクトしている部分が見えただけでもちょっとテンション上がっちゃいました。

ただ、これに止まらないのが本作の気合いの入ってる部分で、老けても変わらずカッコいいトムが落ち目を迎えるとかじゃないんですよね。トップガンに教官として戻った彼の落ち目を見るかと思いきや、若手のホープを相手にバリバリ腕前を披露していくとか、罰ゲームで腕立て200回やらせちゃうとか。 とにかくまだまだ俺は若い連中には負けてないんだという感じがかっこいいんですよね。

他の方も言及してますが、間違いなく本作のマーヴェリックはトム・クルーズそのものであり、彼の生き様なんですよね。 御年60歳を目前にしていまだバリバリのアクションをこなし、自ら体を張って体当たりで演じようとする姿勢。若い俳優たちに決して負けず、何なら時代の流れで技術も上がり、アクションも役者自身がやらなくたってある程度のクオリティが保てるようになった時代。いつかはなくなるかもしれない。でも今ではない。と言わんばかりの重ねっぷりはやはり心がグッと掴まれるものがありますし、実際に本作のスタントを、Gを体感させるために役者に演技指導したというエピソードなんかも含めて、やはりトム・クルーズという生き様そのままだと思うんです。

彼の映画はどうしても王道の娯楽作が多い印象はあります。でも、そもそも映画って娯楽であり、劇場に足を運び、大スクリーンを前にして興奮する。それこそ映画体験でもあるわけで、そういうことをド直球勝負で仕掛けてくる本作はとにかく映画として最高だったなと思わされました。

あとはネタバレも含めて抑えめに。

前作を踏襲する形になっている中で、やはりグースの息子とアイスのエピソードはとにかく熱く、これだけのために前作から見ておくことを個人的にはおすすめしたいですね。

周りにどれだけ冷たい目で見られても、信頼して教官を任せるアイスとの友情には痺れますし、復習した際に、グースの死の直後、簡単にしか言葉をかけてやれなかったアイスが今作ではしっかりと支えてくれるというのも熱い。

グースの息子も結構似てるんですよね。マイルズ・テラーってもっと華奢なイメージがあったんですが、なんか印象変わりますね。『セッション』とか見てて良い役者だなと思いましたが、本作での存在感は素晴らしかったです。

でもまあやはり終盤とか全部好きなんですよね。 ミッションは不可能じゃないと示す姿とか、無鉄砲な彼が身を挺して仲間を守る姿とか、絶体絶命のところから助かってあの頃の機体に乗って最新機とドッグファイトするシーンとか。もうアクションも迫力が圧倒的。 尚且つ帰還した後の、言葉もいらずに抱き合って関係を示すのとかも最高ですし、ラストシーンにもう一度戻ってくるのとかも抜け目ないなって思いますし、とにかくもう大満足の一言。

映画とはこうあるものだと示してくれる、最高の続編でした。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)セント[*] 死ぬまでシネマ[*]

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