[コメント] 冬薔薇(ふゆそうび)(2022/日)
小林薫父子の和解に焦らされる、恋のようなすれ違いのスリルが伊藤健太郎が悪の勧誘に試される形で変奏される。そこに至るまでに、永山絢斗が付け入る心の隙間を熟成する気の長さがある。
眞木蔵人親子のキレぶりにはクロスオーバーの笑いがあるが、やたらと戦闘力の高い市民たちが伊藤を追い込むことで、通俗は本筋へと組み込まれる。それが意外と円滑に見えてしまうのは、船上で活動する高齢者という存在そのもののリスクと余貴美子の疲弊せる年増の色気が筋を治安の悪さに馴致した成果であろう。
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