[コメント] ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022/米)
レギュラーメンバーの登場は、まず最初にブライス・ダラス・ハワードで、夜、恐竜繁殖施設から、小さなトリケラトプス?を救うシーケンス。夜が明けた後のハワードのショット(画面右に彼女を収めた構図)が良いショットでニンマリする。続いて、クリス・プラットの登場は、雪山での西部劇的な騎乗シーンだ。恐竜(パラサウロロフス)を野生馬に見立てたような演出。CGでの造型丸見えだが、アングルはいい。良い出だしではないか。本作全体に良い画面、良いアクションが多く、矢張り、見応えのある出来栄えだと私は思う。
ただし、活劇場面では緩い演出も散見され、それは瑕疵とまでは云わないが、ちょっとテンションが下がる部分だろう。例えば、序盤のメイジー−イザベラ・サーモン及びブルー(ラプトル)の子の略奪場面が安易すぎる(簡単に成功してしまう)点。あるいは、イタリアのドロミテ山脈にあるというバイオシン社の巨大施設の実験室から、メイジーとブルーの子が逃亡を図る場面。クロスカッティングされるサム・ニールとローラ・ダーンの描写も同様に緩い。彼ら彼女らを追いかける人がいない。いやバイオシン社の要員が少ないのは、リアルかも知れないが、スリルを創出する気が無いような演出だと思えてしまう。
あと、気に入った部分も書いておきます。本作で初登場のキャラだと、マルタ島の場面で出て来る、ヤバい物専門の輸送機パイロット、ケイラ−ディワンダ・ワイズがカッコいい。最初は、彼女の義侠心には何か裏があるのかも、と思いながら見ていたのだが、真にヒロイックなキャラを一人投入したかったのだろう。また、画面では、巨大イナゴによるカオスの創造は特筆すべきだと思う。本作中、一番のスペクタクルは、燃え盛る巨大イナゴの飛翔シーンだろう。燃えたイナゴの落下は焼夷弾のようで、欲を云えば、もう少しスリルに繋げることもできたと思うけれど。あるいは、恐竜よりもイナゴが目立つ、という意見も見かけるが、いや、お約束のようなTレックスの活躍で私は結構満足した(瞳孔の演出!)。
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