[コメント] 雨を告げる漂流団地(2022/日)
「おー。ブタメン三昧!」「俺とお前は一心不乱だからなー」おお、そこらのガキだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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いいファンタジーというのは、SFでいう「えすえふまいんど」とやらを見せびらかすのではなく、そこそこ冴えたアイデアを配したら、あとは登場人物にファンタジー世界を充分に呼吸させ、クサい二酸化炭素を吐かせるものだと思うのだ。
その点、毎度ながら石田祐康は凄い。小学校12年くらい通ったんじゃないかと思わせるほどに凄いガキ台詞を登場人物に吐かせる。これだけで、すでに映画は名作になっているというのに、ファンタジーとしては戦慄すべき一大事件を起こしておいて、それにもっともらしい説明をつけないのが泣かせる。「死者の国につながる流れ」とかいくらでも理屈はつけられるけれど、敢えて説明は入れない。洪水についても例の事件とは関係ないとか言うこともなく、語り部として語ることで充分に説明を成し遂げる。
実際、子供たちの配置などは定石どおりだ。口からお腹を出てきたようなスポーツ馬鹿。ブルジョワツンデレ娘。まあこういう話に個々として配置させるべき子供をよく考えて並べ、救い手である子供にフォローをさせる。似ているようで似ていない「漂流教室』(実写版)よりある意味よくできているのではないか。ヒロインの怪我と出血の度合いもほど良い。これが現実感を醸し出す…そしてそれは全メンバーにも波及し、それぞれの欠陥とそこからの救済を浮き彫りにする。
やはりこれは名人芸だ。まだ若い石田祐康の作品であるにせよ。
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