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[コメント] 恐怖省(1944/米)

精神病医院を後にする犯罪歴のある気の好さそうな男。いささか押しつけがましい慈善イベントの胡散臭さ。巨大なケーキと盲目の老人と空襲と銃撃。場末の酔いどれ探偵のあっけなさ。明るく屈託のなさすぎる亡命兄妹。何かありそうでやっぱり、な貴婦人主催の降霊会。
ぽんしゅう

たたみ掛けるように陽と陰、善意と悪意、平時と有事、正常と異常の混沌が連打され、行きつく先の読めない大衆の中なかに潜む“不安”がかき立てられる。フリッツ・ラング演出の手際の良さにくらくらする。

クライマックスの「銃撃の選択」に、もっと葛藤があればドラマに厚みが出たと思うのだが「ナチは問答無用」が公開当時の正義認識だったのだろうか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得

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