音を伴わない漫画では、どんなふうに描かれているんだろう？と思わずにいられない。そのくらい演奏がすごい。ジャズのことはまったくわからないけど、フツーにサックス：馬場智章、ピアノ：上原ひろみ、ドラム：石若駿のトリオのライブに行ってみたいと思った(笑)　

この映画では、世界で活躍するジャズプレイヤーのガチの演奏を伴っているから、たぶん、演奏があって、アニメーションをそれにあてて制作しているのだろうけど、そのわりに肝心の演奏シーンのアニメーションがね、もっとクールにカッコよく作ってくれたらよかった。あんな演奏をしているように見えなかった、というか。涼宮ハルヒのGod Knowsの演奏シーンのようなリアルさと臨場感、そして３人の思いが重なるような演出がほしかった。演奏とアニメがちぐはぐな感じが残念。

主人公は大くんであるはずなのに、私には雪祈くんの物語のように見えてしまったのも、なんだかちぐはぐな感じ。雪祈くんの複雑な心理のほうが、アニメとしてもしっかり描かれていたし、間宮祥太朗くんも間宮祥太朗の顔が浮かんでこないくらいよかった。ちょっと見直しちゃった(笑)

そんなわけで、作品としては期待したほどではなかったのだけど、大くんのサックスのケースがセルマーの８０のオリジナルのケースだったり、大くんが綿棒や吸い取り紙をつかってサックスのお手入れをする描写が、ガチでリアルで、あ〜！そうそう、そうやって手入れしてたよね！！と、作品とはまったく関係ない描写のリアルさに驚きました。懐かしい〜！楽器は自分の分身だから、いつもちゃんと手入れしてました。そういうところはしっかり作ってあるのになぁ。残念。