溺れちゃうのは、なんか見ちゃらんない。メロドラマとして見たらいいのか…

後半は時間経過がよくわからない。高度なんじゃなくて、単に下手くそに見えた。この太っちょとゲスオヤジは誰なんだよ。

試しにソレさんの背景を整理してみますと、中国で浮かばれない人生を送っていたあげく嘱託ぎみに母親を殺して韓国に逃げてきた彼女は、中国に帰ったら投獄されるしかないから、金持ちのエロオヤジとくっついてＤＶをくらうしかないらしい。かわいそうな背景だから、なんか刑事に優しくされて、フェイクとリアルがごっちゃになった、つまりは恋に落ちちゃうのもまあ、のめなくはない。刑事は刑事で彼女の犯行に気づきながらもかわいそうだった（溺れちゃっていた）ので、隠匿に踏み切っては、妻のおひざ元に逃げてった。問題は、唐突にもソレさんが新しいゲスオヤジを引き連れて目の前に現れる……って、ここからがよくわからない。このゲスオヤジ、投資家の太っちょに殺されることをもう覚悟しちゃっているんだけど、妻が恋慕する刑事に嫉妬したのか、その嫁に妻と刑事との愛の語らいを送り付ける。うん…？　つまりこれが目的で、刑事を追っかけてきたのか？？　それとも単なる偶然？　なんかよくわかんねえな……とにかくソレさんはゲスオヤジの害意から刑事を守りたいと思って、ゲスオヤジを殺そうとしている太っちょをけしかけるべく、その母親をやっちまった……ぜんぶ刑事さんのためだったんですぅ……

って、なんかわたくしの文章がへたなのもいけないんですが、中学生が書いたプロットみたいに思える。ソレさんのこの背景が移民の浮かばれぬ境遇を謳っているとしても、刑事視点のミステリーに凝れば凝るほど、彼女の心理描写が後付けに見えちゃって、結局は安いメロドラマにしか見えない。私は、あんまりこういうトリッキーを評価したいと思えないものの、久しぶりに一言言いたくなるだけのものはあったのかもしれない。