[コメント] HANA-BI(1997/日)
哀の仕事。
過去の北野作品とは異なり、「哀」の情景を浮かびあがらせることに徹底した作品。これ以降、北野作品は一つの形式を明確に意識した作品を撮っていく。(その後の『菊次郎の夏』『Dolls』『座頭市』は明確に何らかの元となる話の原型が存在している。)
あの絵が美術館などに飾られていたのではただの異様な作品にしか映らないが、本作に挿入されることで作品の哀感を浮き彫りにしていく。その意味であんなに目に焼き付く絵はそうそうあるものではない。この絵を誰が書いたかなんて、本作の文脈で考えるとどうでもいいことに思える。
絵の挿入や、銃撃戦の時間軸の妙なずらし方など、北野作品は戦略的である、それゆえに芸術的な評価を受けるのだと思う。どの媒体においても戦略的かつ前衛的な作品には惹かれる。
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