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[コメント] 十字砲火(1947/米)

 だんだんと暗く、息苦しくなっていく画面。どうやらアメリカの暗部に入り込んでしまったらしい。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 オリジナルでは同性愛者のお話しだったそうですが、「反ユダヤ主義」に置き換えることでよりどす黒いものが残るようになったと思う。『我等の生涯最良の年』のようにはいかなかった者たち、彼らのうちに、彼らが戦ったところのもの、ヒトラーと同じ感情が生まれてしまうとは。

 ラスト、暗闇での狙撃。彼は死んでしまった。この事件は終わってしまった。

 殺人を犯し、殺されたのは彼ひとりだったけれど、彼ら軍隊のうちにもそんな奴がいた、一般社会にはどのくらいいるんだろう?人道主義を掲げてヒトラーの第三帝国を倒したアメリカにはこんな事件は絶対にもみ消さなければならないことになっただろう。

 「闇」から「闇」へ。在ったことは「終わったこと」「なかったこと」に?

 “十字砲火”にさらされたのは、はたしてモンティだったのか、サミュエルだったのか。 この映画のたどった運命をみると、もしかして…?

 でもいまではアメリカのアマゾンでも取り扱ってるんだね。

(評価:★4)

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